自転車とプログラミング

元自転車メーカーのマーケター、今は自社開発企業に勤めるエンジニアが主にプログラミングの話を書きます。

33歳の未経験エンジニア就活で複数内定ゲットした振り返り

こんにちは、watanabeです。

就職活動を終えて先日よりITエンジニアとして一歩を踏み出しました!めでたい! 記録がてらスクール卒業から就職までをまとめたいと思います。

結果

3ヶ月ほどかけて10社くらいの面談や選考に参加して自社開発企業3社から内定をいただきました。

いずれも前職給与から横ばい〜微増、年休は10日ほど増加。

もともと前職はメーカーのマーケターを勤めていたので、自社プロダクトを言葉に表現してエンドユーザーに伝えることをしていました。ですので、なんとなく受託開発のようなクライアントワークを自分がしていることが想像できず、自社開発企業に進むことを選択しました。

年齢は就活にどう影響したか

30代からの未経験ITエンジニアはうまく就活できるのか?というのは多くの方が抱いている疑問ではないかと思います。就活を終えた今の感覚をお伝えするとしたら30代前半であれば年齢は全く関係なさそう、という印象です。 もともと私も33歳での初転職ということで不安を感じていたのですが、選考に参加したほとんどの企業で年齢で結果が左右されることはなかったように思います。とはいえ、転職理由はどの企業からも聞かれましたので、企業サイドの疑問(なぜ30代で未経験なのにITエンジニアになるのか)をしっかり言語化して解消してあげることは前提だと思います。

また、企業サイドの人不足は深刻なようで能力よりもポテンシャルを私の年齢でも重視された企業もいらっしゃいました。その企業さんからは能力よりも意欲を重視した、と名言もされましたが内定をいただきました。 その一方でいくら人手が足りないといっても教育コストを払うことが難しい企業もあって、そういった企業からはお祈りされています。単なるミスマッチと思うほかありません。

といった感じで、なにはともあれ言語化してきちんと伝えられるなら30代前半ではそれほど年齢は関係ないといえそうです。

就職活動まとめ

ここから就職活動のまとめに入ります。

スクール卒業〜ポートフォリオ発表

2023年12月にスクールを卒業、2024年1月にポートフォリオを発表しました。スクールの卒業自体はポートフォリオをチェックに回せば卒業ステータスに変わるため、発表の準備や修正作業に1ヶ月ほど要しました。

就職活動開始

ポートフォリオの発表と前後して職務経歴書などの書類作成やスクールでの就職サポートへの相談を開始しました。

スクールでは卒業生への就職斡旋があり、私にも受託開発企業4社が提示されました。卒業生の就職実績もあり、評判もよい企業ばかりでしたが前職で自社プロダクトを扱っていたことから自社開発企業の斡旋を相談したところ「(自社開発企業は)レベルが高い」と暗にお断りされました。

世の中300万社の企業があると言われているので提示された4社以外にも道はあるのでは?と自分でも就活する方向で進めることにしました。

求人サイト登録

以下のサイトに登録しました

GreenはIT系に強めな求人サイトで友人から勧められて以前から登録していました。自力で企業に応募したり、企業から通知が飛んでくるタイプです。

dodaは妻からの勧めでした。Green形式に加えてエージェントも利用できます。結果的には選考に進んだ9割はGreenで残りがdodaでした。dodaは総合求人サイトなので今回のようなパターンではミスマッチだったかなと思います。総合求人媒体をつかうメリットはないです。

dodaのエージェントからはキャリアチェンジでは求人を選ぶのはNGと指導されて求人にやたらめったら応募してました。多分80社くらい応募して面接まで行ったのは1社、doda経由の内定が一社ありましたが企業側からダイレクトに声をかけていただきました。

書類作成

職務経歴書、履歴書はスクールで内容のチェックを受けてました。

特に職務経歴書は書いた内容が面接に出されるので自己分析ややってきたことを棚卸しして苦労して書きました。内容的には全8ページで前職の経歴とプログラミング関連で半々でした。 ネット上では職務経歴書は可能な限り読みやすく2〜4ページに収まるように、といったアドバイスが散見されますが、未経験転職ではやってきたことや思いのすべてを職務経歴書にぶつけないと薄味な内容になってしまい、書類選考を通れません。長いから読まない、という企業とはミスマッチだったと思うようにしていました。

内容的にはプログラミング関連は特にやってきたことを精緻に書いていけば問題がなかったのであまり大変ではなかったです。大変だったのは…

  • 前職のトピック
  • 自己PR
  • なぜITエンジニアになるのか

といったあたりです。書けるところから書いていこう、と始めてしまったので前職の記憶に強いトピックから書き出されてしまってまとまりがない内容に陥ってしまいました。

後述しますがメンターサービスのMENTAでIT転職指導を受けて、そこからぐっと良くなりました。

menta.work

ワタシ的な職務経歴書のポイントです

  • 人生〜仕事〜プログラミング学習まで一貫したポリシーを見つけ出して職務経歴書に記載する
  • 同じトピックでも切り口を変えてみる
  • よりシンプルな自己PRを
  • 選考をする立場になって欲しい情報を記載する

1個目はMENTAで指導された内容です。例えば、積極性があるとすれば学生時代から現代までのそういったエピソードを集めたり、そういった切り口でトピックを見直してみる、感じです。一貫性のある内容になっていると選考する側にとってもわかりやすく覚えやすいです。

また、「よりシンプルな自己PRを」というのは例えば「アウトプット活動をしていました」とPRするよりもより単純化した「積極性」をPRすべきということです。単純かつ抽象的な自己PRは、手持ちのエピソードに多く結びつくので説得力が増します。積極性を補足するエピソードとして「アウトプット活動」を挙げたほうが面接での話に潰しが効くでしょう。

情報収集

初転職かつ、未経験業界への転職ということで情報収集を意識的に取り組んでいました。

グリテンラジオ | Greenに書けない転職ウラ話ラジオ

グリテンラジオ | Greenに書けない転職ウラ話ラジオ

podcasts.apple.com

転職サイトGreenが展開しているポッドキャスト。選考企業側の心理や転職一般の話が参考になりました。

エンジニア転職チャンネル【RUNTEQ公式】

www.youtube.com

プログラミングスクールRunteqが運営するYoutubeチャンネルです。 ITエンジニアへの転職をアドバイスする動画が多くあり、非常に参考になりました。

カジュアル面談

書類作製と並行しつつ選考に参加する企業の絞り込みをすすめます。そこでカジュアル面談が登場します。カジュアル面談とは具体的な選考の前段階として企業と求職者のマッチングを確認する目的で行われる面談です。

基本的にはカジュアル面談を受けて、そこから選考に参加していました(dodaの書類選考は除く)。それが約10社です。大体選考は3〜4社が並行していた自分でもこの10社のうち、深く企業研究までした企業はそれほどなく、これ以上を面談を乱発していたらキャパオーバーしていたことは容易に想像できます。

カジュアル面談はカジュアルとはついていますが、実際に配属される部門の方が担当されているケースが多く、実質選考と思ったほうが良いです。ただし、表向きは選考ではないので質問はいろいろし易いのでこの段階で聞けることは聞いといたほうがベターです。

以下カジュアル面談で思ったことです

  • 開発部門の部門長が面談している企業は事業の話と業務の話のどちらもできるので採用に本気なことが伝わる
    • 末端がでてくると業務上の本音は聞けるが、しょうもない愚痴になることが多い印象。また、末端では事業のビジョンや将来的な部分は資料の受け売りで話していて得られるものが少ない。
  • 開発体制や労務環境はここで具体的な働くスケジュールや体制がイメージできるまで確認する
    • アジャイル/スクラムウォーターフォール
    • 開発言語は?開発言語のバージョンは?技術選定は?
    • 配属部署の残業時間は?繁忙期閑散期があるかどうか
    • プロダクトの顧客は?顧客の要望に対する対応体制は?
    • 事業への課題は?職場での課題は?
    • どういった部署があって、力関係は?技術部門のパワーバランスは

私の場合は初の転職かつ未経験業界への転職ということで、カジュアル面談で何をどの程度聞けばいいのかわからず、その後の面接で役立つような質問ばかりしてしまい、内定が出た段階で選ぶ基準となるような情報をあまりゲットできていませんでした。今思えば色々この段階で聞いておきたかったなーと感じています。

カジュアル面談を終えると面談中によっぽどのことがない限りは書類選考の案内がなされます。

書類選考

書類選考で落ちたのはdodaを除くと一社のみでした。その企業は経験者のみを採用していたようでしたので、企業の方針と私のミスマッチでした。

面接

書類選考に通過すると次はついに面接です。 面接までたどり着けば合格率が高かったです。自分のやってきたこと、準備してきた内容を自分の言葉で話せればそれほど苦戦することはないのかなーと思います。

面接で取り組んだことや各面接ステップでの情報をまとめました。

  • 面接特有の話法として「かならずポジティブに話を落とす」というのがあります。短所や苦戦したことを聞かれた際に、それ自体は正直に話したうえで今はXXXしたことで改善していますといった形で話を落とすことです。そうしないとネガティブなことだけが残ります。
  • 私は緊張するタイプだったので、アイスブレイクの意も込めて自己紹介の頭の方で「緊張しているので聞き苦しかったらいくらでも聞き返してくださって大丈夫です」と伝えていました。企業側に質問しやすくする意図もありました。
  • 一次〜二次面接
    • 「カジュアル面談を担当した人+その上司+人事」の組み合わせが多かった印象。
    • 「自己紹介→プログラミングを始めた理由→転職理由→志望理由→5〜10年のキャリアプラン職務経歴書から質問→技術的な話→自社サービスの話」といった流れが多かったです。
    • 技術的な話は
      • ポートフォリオの概要、目的、技術スタック、自信のあるところ、苦戦したところ
      • スクールや自学習で大変だったところ、苦戦した際の解決法
      • リクエスト〜レスポンスの流れはどうなっているか、という質問も
      • 直近の学習方法や入社後の学習方法
      • 直近で読んでいる本
    • 逆質問
      • 企業研究してわからなかった点
      • 将来的な事業計画について
      • キャリアプランを実現できるか
      • 入社するまでに勉強しておいたほうがいいこと

どの質問も高尚な答えは期待されていません。矛盾がなくて納得感のある地に足のついた回答を自分の言葉で話せるか、が見られていると感じました。 ここで矛盾を感じられると深堀りされていきます。 企業によっては履歴書ベースにがっつり経歴を聞かれるパターンもありました。10年以上前の大学受験から話が始まったときはたじろぎました。

  • 最終面接
    • 役員が出てくるパターンのみで、トップが出てくることはなかった。
    • 流れはそれまでの面接と同様のことが多かった。
      • 内容的には技術面よりもカルチャーフィットが見られていた。抽象度が高い印象。
    • 逆質問
      • 最終面接以前の逆質問を改めて聞いても問題なかった
      • 新卒採用をしているのに、中途未経験の自分を雇う意味は?期待していることは?
      • 企業トップ級から改めて事業についてお聞きしたい

未経験業界への転職なので自分を持ち上げようとせずに、「入社後は頑張ってスキルアップに取り組んでいく覚悟があるんだ」と伝えるのがいい印象につながった気がします。

場合によってはどうやっても空回りする面接もありますが、そういうのはミスマッチなだけなので切り替えていけるといいと思います。私も受託開発企業を受けた際は非常に空回りした面接になってしまいました。

技術試験、適性試験

最終面接前などに技術試験や適性試験がありました。 - 技術試験 - リモートコーディング試験 - じゃんけんプログラム - テーブル予約プログラム - WEB関連の問題 - アルゴリズムの問題 - ポートフォリオ改修 - ポートフォリオに一週間で新機能を追加してください、というもの。現職で働いている最中だったので他社選考もあってめちゃくちゃきつかったが、その割にその企業には落ちた - 適性試験 - WEBGAB - WEBCAB - SPI

適性試験は参考書やアプリを購入して対策しました。そのおかげか適性試験は全部通過しました。企業によっては「SPIみたいな試験です」と適性試験の種類をぼかすことがあるのですが、「しっかり対策して臨みたいです。言語、非言語などの問題がありますか?」と聞いてみると、適性試験の種類や大まかな出題傾向を教えてくれることがありました。

内定後

恵まれた悩みですが、自分の軸にあった企業から複数内定をいただいたのでどの企業で働くか非常に悩みました。

私はここで企業の印象が悪くなるかなーと思ってあまり待遇や環境などを聞くことをしないまま入社先を選んでしまい、「入社前の想定とちょっと違う」みたいなちょっとしたギャップを感じていてもっと深堀りして聞けばよかったなーとモヤッとしてます。

内定は出されているのでグイグイいろいろ聞いて、それで内定を引っ込めるようならその企業は見込み無しって考え方でいけばよかったです。

就活を終えてみて

実はスクールを卒業後、就活に入る直前のことですが、前職で会社の業績が急激に悪くなったアオリを受けて退職勧奨みたいなものを受けてしまっていました。辞めるか残るか選べ、と迫られました。

当時は非常に動揺したのですが、今思えばあのような屈辱的な仕打ちをされて残る選択肢もなかったなと思います。そして、どこに勤めていても外的要因で肩を叩かれる可能性がしれたのは良かったのかもしれません。

就活は色々大変でしたが、良いところに収まったんじゃないでしょうか。 就職はゴールじゃなくてスタートだと面接で言ってました。我ながらちょっとわざとらしいセリフだと思います…。 実際その通りではあるのでITエンジニアの高みを目指して、仕事も学習もがんばっていきたいと思います。

これから未経験で30代でITエンジニアを目指して転職活動をされる方を応援しています。