ITエンジニア向け転職サイトForkwellさんが開催した「ITエンジニアのための転職学」を視聴したので感想というか、内容を取りまとめる。
転職したての身なので転職学を学ぶというよりは年収上昇のためのキャリア形成のHowを知るために視聴した。
スピーカーを担当してらした赤川 朗さん(@Akira_Akagawa)さんのことは存じ上げなかったが、Forkwellで10年以上エンジニアのキャリアアップ支援をされているということで地に足のついた話に期待しながら申し込みをした。
結果としては参考になる内容だったのでこの記事を見ている方にも視聴をおすすめしたい。Forkwell会員限定のコンテンツになっているのでまずは会員登録をぜひ。
まとめ
- ITエンジニアの職種的には分業化が進んでいて専門特化の求人が増えている。
- 求められる言語はこの10年間で多様化が進んでいる状況にあり、ニーズの高い言語は年収の中央値や上限が低くなりがち。
- メガベンチャーなどの大規模組織では分業が進んでいて専門分野をもつ人材が求められている。一方で小さな組織は何でも屋を求める
- 社内である程度の発言力をもち、ロールをこなすことで年収のランク帯が上昇する。
- ロールを外部に置くこともできる。コミュニティでの存在感、発言力も年収に関係が生まれる。
これら踏まえて今後を考えると、言語を広く浅く学ぶのは悪手なので改めてRubyに特化していきたいと思った。Rubyは技術的なニーズがあることやコミュニティ活動で外部へのアクションが取れることは成長を促進すると思う。 また、社内の業務を着実にこなしてロールを得ることがエンジニアとしての希少性にも通じてくるので、上位の責務を果たせる存在を社内でも目指していく必要性を感じた。
資格の話などはなかった。アウトプットは推奨されていたので「どういったレベル感の話ができるか」を記録して残していくことが重要だと再認識した。数も大事だが質を洗練できるインプットを心がけたい。
視聴メモ
転職活動の所要期間
収入が上昇するほど転職期間は長い(1年以上!)選べる側に回れるから交渉ができる?重要なポストについていることが多い?
求人トレンド
※WEB業界をベースにした話
過去10年間で求人の上限年収は+190万円、加減は+170万円で推移している(下限は565万!!
毎年17万円ずつ年収が増えるような市場だった
職種はフロントとバックの分業、EMの増加、分業化と専門化が進んでいる→フルスタックを目指すのは悪手?広く浅くの需要がない
専門的にバリューを出すのがよさそう
言語は多様化が進んでいる→Ruby, Go, Python, TypeScriptのニーズが高い
ObjectiveCのような需要がなくなった言語もある
フロントエンドフレームワークはReactとVue.jsの2強でNuxt, Next.jsが急進している
市場価値
Forkwellに登録しているエンジニア(ミドル以上が多め)そもそもミドルとは?
30代前半の年収中央値は530万
30代後半の上位20%が年収800万になっている。目指すべきは上位20%の層
言語の市場価値の高さは言語利用者数による。利用者数が多い言語は裾野が広がり中央値が下がる
Goは求人に対して人材供給が追いついていない。
ロール別
EMやテックリードは市場価値が高く給料も高い。一方でコードレビュー担当や実装担当は市場価値は並。このへんは高いロール経験者ほど市場における希少価値が高くなるからだろう。
転職回数
2〜3回目、30代後半までの転職は給料が上がる
→現職のロールと転職回数、どの言語ができるか、が大事。それ以上の変化要素として企業のカテゴリー(受託<スタートアップ<メガベンチャー<外資IT)
ITエンジニア給料の決定要素
- 権力…決定権のある人による →自分が権力者になる、近づく
- 模倣…競合企業に似る →給与水準の高い業界を選ぶ
- 慣性…今もらっている給料が基準になる →転職時に現職給与を基準にせず、市場価値を基準にする
- 技術力…課題解決力(難しい課題ほど価値が高い) →自分がより難しい仕事を引き受けられる実力を身に着け、示す 今のグレード以上の仕事をしていることを示す
第5の要素として運。富は才能よりも運によることが数学的に証明されている(22年イグノーベル
運を引き寄せるのは能力、行動量、アイデア量、人生で関わる人数を増やすこと
高年収になるためには運試し(所得を上げる試行)をたくさん行うほど年収が上がる。アウトプットはリスクのない運試し
2〜3年で転職する際に見られるポイント
- 普段のインプットや好きな技術
- 伸びしろ
キャリアは給料だけではない
スキル/職業/市場価値がしっかりしている業種では外的キャリアによってキャリア構築し易い。が、内的キャリアを構築することが人生の本質。(エドガー・H・シャイン)
→前職を考えると市場価値がわからないまま社内価値だけが上がる状態は不安要素がつよい。が、その社内価値もキャリアの一つで武器ではあるのでどう捉えるか。
内的キャリアとは人生観とかのこと。なんかこのへんは満たされてる。
カテゴリ別の壁
外資は1000万以上が普通
メガベンチャーでは役職なしで800万を超えるのは40代前半から←評価制度の成熟度合いによる
エンジニア評価制度が成熟している会社で30歳前後→800万を超える人は重要なミッションや横断的役割を担っている→1000万を超える人はミッションを達成した人
40歳前後の場合→800万を超える人は技術的な引き出しを持って頼られる存在→1000万を超える人はCTOのすぐとなりにいるレベル
25〜49歳で1000万を超える人は特定のコミュニティで発信力を持っているケースがある
評価制度が未熟な場合 →権威に近い(経営者に近いところで影響力を発揮できる
ITエンジニアのキャリアパス
この辺はスクショNGなのでメモだけだと分かりづらい。
キャリア開始地点から進める方向性は無数に存在する。実態としての収入分布として社内で果たす責任が大きい職務に取り組むケースが給与が上がりやすい。
当然、組織に寄って昇給は変わってくる。
小さい組織の場合、年収は速く上がるが上限が低い、上限を超えるには社外的にも専門家の第一人者レベルを求められる
大きい組織の場合、年収の常用ペースはゆるいが、上限が高い→専門性が重宝される
→何でも屋で広く浅くのキャリアを描くとメガベンチャーなどの大きい組織に映る際に給与があがらない
キャリアの歩み方
始まりの開発者(22〜30歳(キャリア論的に)
- 広く何でも試す
- 自分の能力や動機が姿を見せるまでやり切る
- エンジニアとして
- 貢献方法を身につける
- 憧れる人を見つけて真似る
- エンジニアとしての自分を知る
→自分がここに取り組む時間は最小化していきたい、が技術的な土台を形成する必要は強く感じる。
強みに集中する時期(30〜39歳)
- 社会資本(人脈、専門性、実績)を活かして貢献する時期
- ROI最大化のために多様な貢献方法を身につける
- エンジニアとして
- 内から外へ強みを活かす機会を得る
- 長い時間軸での貢献を意識する
「内から外へ」という言葉の意味は幅広いが、社外の接点を作る必要性は強く感じる。社内で取り組むことが全てではないから。
40代移行はより高みを目指したり、別の同クラスロールに跳躍したり、マネジメントからプレーヤーに跳躍したりする
内から外への螺旋でキャリアを描く。
その他
複業/副業に関する質問があったが、そのような就労形態で数十年単位にわたって成功した人の前例がないため本業特化がいいのでは。子育てなどがあるとなおのこと難易度が高い。